九州国立博物館、免震構造、梅ヶ枝餅

2007/01/21 // Posted in 未分類  

伊藤若冲展を見に、九州国立博物館へ。
もけい



















展覧会も、ほんとに「うわあ」って声が出ちゃうようなものが結構あったんですが、
それよりも。
「博物館バックヤードツアー」に参加してきました。
無料で、博物館の基礎部分に行ったり、収蔵庫や収蔵品の修復作業現場を
窓からですが、見られる見学ツアー。

ツアーガイドの方の説明によると、博物館というものには二つの使命があり、
それは、収蔵品を「見せる」ことと「守る」ことだそうです。
「守る」ってのは、思いつかなかったな。
この博物館は2005年10月オープンの、比較的新しい博物館なで、
その「守る」ためにさまざまな工夫がなされています。

まずは建物の基礎部分。地震にそなえて建物は免震構造です。

免震構造緑



















↑この写真、ちょっと焦点がずれちゃったんですが、柱と基礎の間に
ゴムが入ってます。


免震構造赤


















↑このような、基礎と柱の間にばねが設置してあるものもあります。

免震構造3種類


















↑黄色のダンパーもあります。写真ではわかりにくいんですが、
これも金属のばねによるもの。
手前の黄色と緑のダンパーは見学のために展示してあるものです。
これら「赤」「黄」「緑」のダンパーをバランスよく取り入れて建物全体を支えています。
この方式の構造は今日オープンした国立新美術館にも採用されてるそうです。
タカマさんのブログに国立新美術館の紹介あり)

続いてエレベーターへ2階へあがり、収蔵庫、修復作業室へ。
(2階では写真撮影不可でした)
展示室は3階、4階にあるのですが、収蔵庫が2階にある、というのも
湿気、光、盗難のおそれ、などを踏まえて、
収蔵品をできるだけ建物の中心部に、との配慮からだそうです。

幾重にもわたるセキュリティードアを抜けてやっと収蔵庫の前へ。
もちろん収蔵庫の中に入ることは許されないので見学用の窓から
中を覗きます。内部の蛍光灯も紫外線を出さない、特殊なものだそう。
収蔵庫の壁面はなんと杉板。そして収蔵品は桐の箱に納められています。
もちろろん機械によって空調もなされているのですが、
やはり天然のものの力は偉大だそうで、湿度調節におおいに役立ってるそうです。

修復作業は日曜日なので行われていませんでしたが、
ビデオで普段の様子が紹介されてました。
虫のくった古文書なんかは、
・紙の繊維を電子顕微鏡で調べる
・裏打ちをはがす
・虫食いの場所を写真で記録する。
・記録したものからフィルムをつくり、
・同じ紙繊維で、虫の食ったところだけの大きさに紙を漉く。
・紙をつぎはぎ。
・装丁しなおし
なんていう気の遠くなるような作業。

それから、修復の実際的な作業に入る前段階の作業を行う部屋も見学。
畳敷きに長机が並ぶ部屋でした。
このような和室だと、
・作業してる机から畳までの距離が、イス+テーブルに比べると近いので
 万が一モノを落としても被害が最小に。
・また、そんな場合でも畳は床よりもクッション性に富む。
という理由で和室なんだそうです。

その他この博物館がすばらしいと思ったところ:
・空調のための空気は一度地下を通し、冬ならば地熱で2℃ほど暖め、
 夏なら2℃ほど下げてからエアーコンディションニングするんだそうな。エコロジカル!
・外部に面したガラスの壁は二重になってて(50センチも隙間がある)
 これまた温度調節に一役かってる。
・水の資源が潤沢ではない太宰府市にある、この博物館、雨水はトイレなどに利用。


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帰りによった茶店で、抹茶と梅ヶ枝餅。
参道にはあまたの梅ヶ枝餅屋さんがありますが、僕のお気に入りは
きくち」です。

うめがえもち


















うめがえもちましーん



















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収蔵庫の杉板+桐箱、
作業室の畳+長机、
そして茶店の抹茶+餅、
日本文化にため息の一日でした。






This entry was posted on 2007/01/21 at 23:35 and is filed under 未分類. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

Comments (2)

  • ユウ より:
    柱を支えているバネ、これで建物を支えていると考えると凄いですね。
    実際、こういう縁の下の力持ちを初めて見たのですが
    手で掴めそうなバネが建物を持ち上げてると思うと驚いちゃいますね。
    あと梅ヶ枝持ち大好きっ子なので写真見てたらお腹すいてきちゃいました;笑
  • Ken より:
    みんなやっちゃうかもしれないんだけど、
    ばね、揺らしてみました。
    やはりびくともしませんでした。やはりね。。。
    梅ヶ枝餅、もって帰る用に買ったのも、
    やはり車の中で3個食べちゃいました。やはりね。。

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