善き人のためのソナタ

2007/05/06 // Posted in 1. 日記  

広島から帰ってきました。
今回の旅行の目的のひとつが、映画を観ることでした。
今年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品です。

善き人のためのソナタ











福岡でもやってたんですが、都合つかなくって逃してしまってたんです。
NHKのテレビドイツ語会話で、監督のインタビューを見てから気になってました。
まだ東ドイツがあった時代のベルリンが舞台で、シュタージが登場します。
詳しいことは→公式サイト 

やはり怒りの気持ちは出てきましたが、
「なんでこの人たちはこんなことするようになってしまったのだろう」
というのが、全体的な僕の感想です。

例えばこのシュタージだって別の状況だったら、違う仕事してただろうし。
事を成した個人がいるから事は成立するのですが、
その個人を動かす、見えない、「誰」でもない大きな悪って存在すると思います。

この映画では芸術(タイトルにもなってるピアノ音楽)
(それと存在感はピアノソナタに比べると小さいが、ブレヒトの詩も)
がそんな悪を退ける役を担ってます。
芸術にはやはりそういう力があるというのは、救いです。
芸術は助けになるかも、って改めて覚えておこうと思いました。

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原題は”Das Leben der Anderen”(ダス・レーベン・デア・アンデレン)です。
直訳すると「他人の生活」(英語タイトルは”The Lives of Others”)
Leben≒lifeなのですが、「生活」の意味だけじゃなく「人生」のニュアンスも
含んでるよなあ、と映画を見た後では、そう感じてます。
日本語でlifeとかLebenにあたる語がないから、”Das Leben der Anderen”を訳すんじゃなくて、
劇中重要な曲のタイトルを映画のタイトルにしたのかなあ。

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この「善き人のためのソナタ」は
全国で一斉に封切られるような映画ではないのですが、広島でもこんな映画館で
上映されてました。

サロンシネマ1




















サロンシネマ2



















「おそるおそる」ってかんじで、どきどきしながら階段をのぼりました。
座席はゆったりとしてて、「マイ・テーブル」付きです。


サロンシネマシート



















こういう小さい「街の映画館」、
小さいころ「東映まんが祭り」を見にいった、近くの劇場を思い出しました。


This entry was posted on 2007/05/06 at 01:28 and is filed under 1. 日記. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

Comments (6)

  • とし より:
    この映画、僕も見に行きたいなぁと思ってたのに、
    見逃しちゃったんですよねぇ。。。
    DVDで借りてでも見た方が良い作品でした?
  • Ken より:
    うん、見たほうがいいと思うよ。
    僕はドイツに住んでた割には東ドイツのことを
    知らない方なので、この映画で知ったこともたくさんありました。
    詳しいとしくんのような人にはどう見えるのか、聞いてみたいです。
  • Cananese より:
    後からしつらえたテーブルに、丸いオレンジのクッション。
    レトロな映画館もいいですねぇ。
  • Ken より:
    でしょ?
    有人の飲食物販売所もありませでした。
    自動販売機の飲み物のみ。
    ほんとに、小さいころに行った映画館を思い出しました。
    気分的にはニューシネマパラダイスです。
  • Cananese より:
    わたしが初めて行った映画館は、群馬県沼田市。
    中学生のころだったかなぁ~。題名は忘れたけど、邦画だった。
    入口のおばさんが、券を切って、はんこを押してくれて
    それを持って入館。ポップコーンなんて売ってなかったと思う。
    座席も、互い違いになってないから、前の人が大人だと
    みずらくて・・・
    な~んだかそんなことを思い出させてくれる1枚のショットでしたよ。
  • Ken より:
    この映画を見たとき、「もし客が一人だったらどうしよう」
    と心配しましたが、ほぼ満席でした。
    (帰りなんか階段が抜けないか心配だった)

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