ベルリン物語―Tokyoの次の手がかり 橋口譲二/情報センター出版局(1985年)
旅行準備として、最近はベルリンに関する本を読んでます。
Amazonで「ベルリン」「ドイツ」なんかのキーワードで検索して、中古のものを何冊か買いました。
最近読み終わったのがこの『ベルリン物語』。
壁がまだあった時代に実際に西ベルリンに行って、若者にじかに接触した記録を元に
「自由」や「都市」について考える本です。「物語」というタイトルになってるけど、ノンフィクションです。
西ベルリンの不健全な側面に生きる若者たちの様子が詳しく描かれていて、こういうのも「歴史の本」だよなあと思いました。
この本はとても貴重な記録だと言えるでしょう。
著者の橋口さんはそもそもは写真が専門の方だそうです。
最初は「読みにくい文章だなあ」という感想ばかりが先にたち、
なかなか読むスピードが上がらなかったのですが、
三分の一くらい読み進めたあたりからは
ぐいぐいひっぱられる調子で読み終わりました。
見て、それを人に伝える、ということをしている人だから、
文章にも(読む側としては慣れがちょっといるけど)勢いが出るんでしょうね。
対象にぐっと近づいて観察した、というのがよく伝わってきます。
ところでこの橋口さん、こういう写真集も出してるそうです。
17歳
17歳の軌跡
何度か本屋で見かけたことのある写真集です。
ああ、この写真家!とつながった感じがしました。
『ベルリン物語』 橋口譲二
2007/12/11 // Posted in 2007年12月 ドイツ旅行, 読書
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Comments (2)
私は「東西の壁は未来永劫くずれない」と言われている時代にドイツにいたので、
「崩れた~」の第一報をイギリスで聞いたときは衝撃でした。
この本、共感できるところが多いかも。
これの次に読んだ本によると、東ベルリンの人が
一斉に西側に行った11月9日、当時のコール首相は
ポーランドを訪問してたそうです。
そんな要人が外国訪問してることからして、
西ドイツ政府とポーランド政府は、東西の通行が可能になる
なんて思ってもいなかったみたいです。
誰も崩れるなんて思ってなかんたんですね、ほんとに。
中国の東北地方/満州
もそうですが、最近、「今はもう無い国」
に興味があるんです。