2008年8月13日。デュッセルドルフ。
前回デュッセルドルフにきたとき引き続き、今回も彫刻家の藤堂良門さんを訪問してきました。
前回も連れてきてもらったんですが、今回もアトリエを見せてもらいました。
「男の仕事場」って雰囲気の、道具や素材がたくさんあるこの場所に来たのは、
ドローイングの実物を見るため。
藤堂さんはblogでドローイングを公開なさってるんですが、
どうも僕の記憶に残って忘れられないような作品が多いのです。
藤堂さんは彫刻家。石とガラスを使った作品が多くあります。
上の写真は石炭。この一連の作品のことは知ってたので、僕は
近所で拾ったボタ(石炭としては質のよくない石)をお土産に持って行きました。
また、ネアンデルタールやベルリンの壁を使った作品も制作されていて、
「歴史」「場所」「記憶」「固有性」がキーワードだ、と僕は感じています。
***藤堂さんのウェブサイトより引用***
各々の場所には独自の歴史・風土・文化などの「場所の固有性」があります。
私は世界各地の「場所の固有性」に興味があり、
それらを表現するためにいろいろな場所で採取した素材
(石・石炭・草木・水・土など)を使って作品を作っています。
つまり、それらの素材をそれらが存在した場所の固有の情報(歴史や文化等)が
記憶されているDNAのようなものだと考えているのです。
特に、地球上で一番古いマテリアルである石には、
その場所のすべての歴史が記憶されていると考えています。
石と石の間に挟まれたガラス(窓ガラスの積層)を通して、
人はその場所のいろいろな事を想像することが出来るでしょう。
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2004年にデュッセルドルフ郊外行われた展覧会で、石とガラスの作品が
部屋一面に並べられてるのを見たことがあるのですが、
光を放つ石がにょきにょき床から生えてきたみたいで圧倒的でした。
来年、日本で展覧会をなさるそうで、その構想をもう練り始めているそうです。
ミニチュアをつくって、並べてみてるところ。
箱の右隅、壁際に立ってるのが人間。けっこう大きなスペースです。
これだけのスペースに石の作品が置かれると壮観だろうなあ。
実はこの日、アトリエに連れて行ってもらう前に、安藤忠雄設計による美術館、
Langen Foundationにも連れて行ってもらいました。
デュッセルドルフ郊外にあるこの美術館は車がないと行くのはちょっと大変。
地平線が見えるような畑の中を走っていきます。
美術館のエントランス。池の際を歩く通路にそって、桜の木が植えられていました。
背後には土手を築いて、他の物が見えないような仕組みになってます。
厳島神社を思い出させる風景でした。
コンクリートの建物をガラスで包んじゃってます。
時間が遅かったので、中には入れなかったのですが、
屋内と屋外の区別があいまいな空間になってるんじゃないかなあと想像します。
アトリエを見せてもらった後は、ピザを食べに行きました。
ファストフードとしてではなく、ちゃんとイタリア式のピザ屋さん、Di Napoli。
店の中に大きな釜があって、本格的でした。
で飲み物は迷わずデュッセルドルフのビール、アルトビア。
Diebels(ディーベルス)という銘柄で、しっかり香ばしい黒ビールです。
デュッセルドルフに行く度に、藤堂さんには遊んでもらってますが、
今回も夕方からほぼ半日付き合ってもらいました。ありがとうございます!