ホテルのバーでジントニック

2009/03/10 // Posted in 1. 日記  

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2ヶ月ほど前、ホテルのバーで。
久しぶりに会った友人とモツ鍋を食べた後、
手っ取り早く彼の泊まるホテルの1階で飲むことになった。
その友人と会うのも久しぶりだったのだけど、ここに来るのも久しぶりだった。

ものすごく若い時にこのバーに来たことがある。
ちょうどそのとき読んでいた小説に、ホテルのバーでジントニックを飲むシーンが出てきたので真似をしたかったのだ。
ホテルのバーが似つかわしくない年齢だったけど、ジーンズでずかずか入っていった。

何も知らないというのは怖いなあ、そんな勇気、今欲しいと思うのだけど、
カウンターに座り、バーテンダーにいろいろと酒のことを質問したりしたような気がする。
してないかもしれないけど、とにかく物怖じしてなかった。

さて、おまけ程度に出てきたピスタチオも食べ終わったし、お会計、と思ったら、お金が数百円足りない。
もちろんクレジットカードも持ってなかったし、こういうときにどういう行動を
取ればよいのかまでは、無知の勇気は助けてくれなかった。
でも不思議と慌てることはなくて、困ったなー、と立ちつくしていると、
会計の若い店員は年配のバーテンダーに事情を説明に行った。
(やっとその時、恥かしくなった記憶はある、たしか)
何事かを打ち合わせて店員は僕のところに戻ってきて、
「今回は結構です」と言ってくれた。
「いやいや、そんなの悪いです」とか言いたかったけど、
悪くったってどうしようもないので、本当に申し訳なく思いながら精一杯お礼を言って店を出た。

大人になったらちゃんとお金を持ってこよう、そしてそのときもジントニックを飲もう、と決めた。

そして、(勝手に、自分と)約束してたジントニックを飲んだ。
当時のジントニックの味は覚えてなかったので懐かしい、とか涙がでそう、
なんてことはなかったが、ライムの鋭い香りとジンの苦味が心なしか、懐かしくて、時間は経った、ということを実感した。

This entry was posted on 2009/03/10 at 23:41 and is filed under 1. 日記. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

Comments (4)

  • Satto より:
    バーテンダーさんのふるまいが なにか、さすが・・・ かっこよい、とおもってしまいました。
    僕はバー好きですが、いい印象があっても、なにかちょっと困ってしまうことがあっても、何かのきっかけでふと思い出すことがある場所なのです。バーというところは。
  • Ken より:
    高級な、と呼んで差し支えないホテルなのでスタッフの教育も
    行き届いてるのでしょうね。(金を持たない客を見逃せとは
    教えられてないと思うけど)
    いろいろと思い出すことが多いのは、やはり時間が夜だからですかね。。。
  • shin より:
    いいねこの話。
    春ですなー。ジントニック春にいいかも。
  • Ken より:
    そうだね、植物のつんとする香りが、春かもね。

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