今回の旅行では乗り換えの韓国を除き、ずっと友人宅を泊まり歩いてたのですが、旅の最後に一晩お世話になったのはデュッセルドルフのTさん宅。彼は日本びいきのドイツ人で料理が非常にお得意。泊めてもらうことをお願いした時から「何が食べたい?」とリクエストを聞いてくれてました。ラム肉か白アスパラガスか、と考えてくれたそうですが、迷うことなく白アスパラガスをお願いしました。だってこの時期にしか食べられないから。
ドイツのアスパラガスはこんなに大きいんです。かなり奮発して頂いたみたいで、スーパーではなく、より新鮮なものが手に入る広場のマーケットで買ってきたそう。これだけ新鮮だと、この距離でも包みを開けただけでアスパラガスの、土のような芽のような香りがするんです。とにかく瑞々しいんです。僕はお客さん扱いはされたんだけど、お手伝いもします。ピーラーで皮をむきます。奥にグラスも写ってますが、この時点で飲み始めてはいます、ちゃんと仕事はしたけど。
白アスパラガスは、ふつう、茹でてソースを掛けて食べます。皮はしっかり剥かないとスジスジになっちゃうのでピーラーでガシガシと。アスパラガス専用の鍋、というものがドイツにはあるのですが、そういう鍋には写真のようなカゴがついてて、カゴのまま鍋にいれ、引き上げるのもらくらく、という寸法。カゴのサイズに合わせて根本の部分は切っちゃいます。切った部分はこの日は使わなかったけど、出汁をとってスープを作ることも可能。
茹でてる間、前菜を出してもらいました。トマトとモツァレラチーズとバジル。バジルはバルコニーで摘んできたものです。飲み物はカシスリキュールをプロセコというイタリアの白発泡ワインで割ったもの。取皿は僕が今回おみやげであげた有田焼のお皿です。日本らしく5枚セットの。
タラーン!茹で上がりました。ツルンツルンしてるのでフォークで取り出すのが結構難しかったです。付け合せとして生ハムを各自好きなように皿に載せます。この日は幸い天気もよかったのでバルコニーでお食事。蚊のでないヨーロッパの夏の贅沢ですね。
この日のソールはシンプルに溶かしバターのみ。いや、それで正解。アスパラガスがあまりにも新鮮なのでそのままの香りを楽しむのが正しいように思われました。生ハムの塩味が時々アクセントになったりして。茹でじゃがいもをごろっと載せるのもドイツっぽいでしょ。何回も書きますが、ほんとうに香りの強いアスパラガスで美味しかった。写真手前は僕の皿ですが、この後、同量を遠慮無くおかわり。すみません。
食後にチーズも出していただきました。Tさんはこの直前に観光でパリに行っていたので、その時のおみやげのチーズ。まだまだバルコニーでたのしみます。ちなみにこのとき時刻は21:01。日が長いです。テーブルには赤ワインが乗っていますが、これは、カシスリキュールのプロセコ割→白ワイン(アスパラガスに合わせて)のあとに開けたものです。
この後、クヴァークという乳製品にルバーブという野菜を甘く煮たソースをかけたデザートも頂いたのですが暗くなっちゃったので写真は撮らず。もちろん美味しかったですよ。
いやー、ほんとに美味しかった。ドイツの春の旬を堪能できました。またTさんは博学で芸術にも多方面に詳しいので話をしてて感心することしきりで、こんな”先輩”になりたい、と思える人。料理しながら、チーズを切りながら、会話が楽しかった。こういうふうに人をもてなせるようになりたいもんです。