もう10日以上も前のことになっちゃったけど、ベトナムに行ったときのこと。
ここでも宣言したように、可能な限りベトナム語のフレーズを覚え、
可能な限り口に出してみました。
『旅の指さし会話帳』もなるべく持ち歩くようにしてましたよ。
知ってるフレーズも単語の置き換えでなんとか応用できることが増えるかな、と思って。
旅の指さし会話帳〈11〉ベトナム
―ここ以外のどこかへ! (ここ以外のどこかへ!―アジア)
福岡からの飛行機がベトナム航空だったので、早速飛行機内で
キャビンアテンダントにベトナム語を使うチャンスがありました。
(もちろん彼女らには英語が通じるのだけど、ベトナム語が分かる人たちだから、使ってみる)
まず飲み物。
ユニフォームの赤いアオザイのお姉さんに
“Would you like something to drink?”
とフツーに英語で聞かれるも、
“チョー・トイ・ビア” (ビールをください)
と毅然とベトナム語で返します。
が、やっぱり
“Pardon?”
聞き取ってもらえませんでした。
“ビア、ビア”
とベトナム語を繰り返したつもりだけど、
“Beer?”
と思いっきり英語の”ビーア”で聞き返され、
“Yes”
と言っちゃいました。
負けその1。
リベンジは食事でした。日本語のメニューによると、
「牛肉のなんとか」と「シーフードのなんとか」から選ぶことになってました。
「シーフードのなんとか」の方がエイジアンな料理だったので、せっかくなので、僕はシーフード。
食事のカートがだんだん近づいてくるにつれて緊張してきました。
(なんかベトナム語で言いたいなあ)
“Beef or fish?”
とアテンダントがお客さんに尋ねる英語が聞こえます。
(そうか、「シーフード」って言わなくても「魚」でいいんじゃん)
と気がついて、急いで『指さし会話帳』をめくって、「魚」を探します。
魚=Ca (カァア? →最後のアを上げる。疑問のように。中国語の3声みたいに)
で、これをさっきの「チョー・トイ・ビア」に組み込んだらいいのです。
“チョー・トイ・カァア”、”チョー・トイ・カァア”、”チョー・トイ・カァア”・・・
ワゴンが僕のところに到着するまでぼそぼそもごもご、練習練習。
そして、いよいよやってきました。
“Would you like beef or seafood?”
(あれ?シーフード?でもまあいいや)
“チョー・トイ・カァア”
アオザイお姉さんは一瞬困ったような顔をして
カートから料理の載ったトレイを引き出し、アルミのフタを開けて何事か点検。
“チョー・トイ・カァア”が通じなかったのか心配です。
残念そうな顔をして何事かをベトナム語で言いました。
そんなのは、僕はもうわかんないので、わかんなそうな顔をしてると、
“Sorry sir, we don’t have any fish.”
ああ、なるほど。売り切れちゃったのね。でも”チョー・トイ・カー”は通じたんだ!!
まあしょうがない。ビーフでいいや。
“Ah, ok. It’s fine anyway.”
“Thank you.”
・・・といって僕に出したのは先ほどフタを開けたトレイでした。ん?
閉めなおしてくれたフタを開けてみると、あれ?、やはり、シーフード。
彼女とのやり取りを反芻してみても、やはり僕はビーフをもらうことになってるはずです。
食べ初めてやっと気がつきました。
その料理、「シーフードなんとか」だけど、使ってあるのはエビ、イカ、ホタテで
魚は入ってなかったのです!だから「魚はありません」って言ったんだ。
「シーフード」じゃなくて、この日本人は「魚」が食べたいんだ、と思ったのでしょう。
アテンダントのお姉さんは、僕の言った「カァア」を律儀に受け止めてくれて、
フタを開けてまでして魚が入っているかどうか確認してくれたのでした。
そうかそうか、ありがとう、と感謝しながら食べた「シーフードなんとか」でした。
こんなことがあると、その国の印象ってかなりよくなっちゃうんですよね。
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